「銭形平次」
橋蔵は「銭形平次」についてこう語ったそうです。
「平次をやる2年ぐらい前からテレビに出たいと大川博東映社長に嘆願していたが、許可してくれなかった。
そこへ、長谷川一夫さんの代表作『銭形平次』をやらないかという話がきて、とんとんと出る運びとなった。
第1回から当たり、"橋蔵さん"というより"親分"と呼ばれることが多くなり、3年目のときに、俳優としてほかの役をこなすのに困るのではないかと悩み、『考えさせて欲しい』と言った。
そのあと10年くらいはやってみたいと思ったが、それは不可能だと考えていました。
だが、それも超えてしまった。
7、8年前までは若過ぎたが、それ以降は長火鉢に座るのが合致し、意識しないで平次に自然になれるようになった」
野村胡堂の原作の人気、夜8時の時間帯とのマッチ、大川橋蔵のテレビ処女出演などがヒットした最大の理由であり、11年目には出演者が一堂に集まって再出発を誓うなど、つねにマンネリを打開し、考え方が甘くなるのを避けてきました。
大きく変えず、細く長く視聴者大衆と結びつくよう絶えず工夫してきました。
女房・お静役を最初の3年間、八千草薫がかわいらしく演じ、ミス日本の鈴木紀子が2代目で1年、5年目から香山美子がもう14年続演してきました。